『フレンチアルプスで起きたこと』(2014)【2023年2月15日～4月15日配信】が第67回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞を受賞し、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』（2017）と最新作『逆転のトライアングル』（2022）が２作連続でカンヌの最高賞パルムドールを受賞しているリューベン・オストルンド監督が、実際の事件をベースに格差社会や移民問題を鋭くえぐり、正論の危うさや人間の精神的なもろさを容赦ない心理描写と卓越したショットで映し出したことで、オストルンドの名を一躍世界に広めた出世作である社会派ドラマ『プレイ』【2023年2月22日～4月22日配信】。
事件の議事録や報告書を手に入れ、犯行に及んだ実際の少年たちへのインタビューも敢行、窃盗の一連の流れは、あたかも実際に起きたかのようにドキュメンタリータッチに撮影するなど、被害者に最初に接触してから最後まで、ひとつのシークエンスとしてリアルにみせることで＜犯行に及んでいる間の人間関係の複雑さを表現＞、同時にその犯罪の裏に隠された社会の根深い偏見や人種の問題などに切り込んでいる。
本作についてオストルンド監督は「窃盗グループの少年たちは、移民の家族の子供であり、彼らはわざと彼らの皮膚の色と生まれ、社会的環境から由来するステレオタイプを利用し被害者を脅します。偏見を逆手に取って犯行に及んだのです」「スウェーデンでは、移民は比較的少なく、アフリカ系移民の人口はかなり少ない。にもかかわらず、人種的なステレオタイプはとても強くあります。古くから住んでいる住民は、自分が知らない人種のことを恐れています。ヨーテボリは半分に分割すると、その一部の地域に移民が住んでいます。白人はそこには住んでいません」「人々は自分の住んでいる地域の＜反対側＞にいる人々を恐れています。私は、地域がこのように分割されていなければ、双方からの偏見が少なくなると考えます」と言及、「本作が人種問題について考えるきっかけになればと思います」とその想いを語った。
2作目は、第72回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、LGBTQというタームが広く知られる以前から同性愛を自然に作品に取り入れてきたアラン・ギロディ監督による＜娼婦に恋してしまう男＞と＜テロ事件に動揺する市民の感情＞を並べて描き、きわどいユーモアも交えながら人種や性に対する先入観を描く『ノーバディーズ・ヒーロー』【2023年2月10日～4月10日】。
3作目は、ベネチア国際映画祭オゾンリティ賞を受賞（「Melancholia」(2008)）したフィリピンのラブ・ディアス監督が、ドストエフスキーの世界的名作「罪と罰」をもとに生み出した250分にも及ぶ大巨篇ドラマ『北(ノルテ)-歴史の終わり』
これまで日本では見ることのできなかった話題作を続々配信!!
【2023年2月の注目の配信作品】
２作品連続カンヌ国際映画祭パルムドール（最高賞）を受賞！
スウェーデンの鬼才、リューベン・オストルンド監督が放つ、衝撃の社会派ドラマ
『プレイ』
【配信期間 ： 2023年2月22日～4月22日配信】
監督：リューベン・オストルンド
出演：アナス・アブディラフマン、セバスティアン・ブリカート、ヤニック・ディアキテ、セバスティアン・ヘグマール、アブディアジズ・ヒロウレ
ジャンル：ドラマ
2011年
スウェーデン、フランス、デンマーク
125分
音声：英語、フランス語、スウェーデン語
字幕：日本語
第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門プレミア上映
自由な性と愛を描く希代のストーリーテラー、アラン・ギロディ監督が現代社会を切り取る大人のコメディ・ドラマ
『ノーバディーズ・ヒーロー』
【配信期間 ： 2023年2月10日～4月10日】
監督：アラン・ギロディ
出演：ジャン＝シャルル・クリシェ、ノエミ・ルヴォヴスキ、イリエス・カドリ、ミシェル・マジエロ、ルノー・リュットン
ジャンル：ドラマ, コメディ
2022年
フランス、ベルギー
99分
音声：フランス語
字幕：日本語
『立ち去った女』【3月26日まで配信中】でヴェネチア国際映画祭金獅子賞に輝いたアジアを代表する映画作家の一人、ラヴ・ディアス監督が世界を驚愕させた問題作！
逃げた真犯人と間違って投獄された男の罪と罰を描く
『北 （ノルテ） ― 歴史の終わり』
【配信期間 ： 2023年2月17日～4月17日】
監督：ラヴ・ディアス
出演：シド・ルセロ、アンジェリ・バヤニ、アーチー・アレマニア、アンジェリーナ・カナピ、ソリマン・クルス
ジャンル：ドラマ
2013年
フィリピン
250分
音声：タガログ語、英語
字幕：日本語
2/1〜2/28の配信作品一覧は【配信カレンダー】をご覧下さい。